意外と知らない!「フッ素」の働きって?安全性は?

投稿日:2017年1月11日|カテゴリ:院長コラム
フッ素

歯に興味のある方は、フッ素という言葉を一度は聞いたことがあるかと思います。虫歯を防ぐ効果があるということは、今では広く知られています。しかし、しばしば「フッ素は体に良くない」というマイナスな情報を耳にすることもあります。

歯科検診などではお子さんにフッ素を塗布することもありますので、保護者の方は心配になることもありますよね。今回は、フッ素の効果や安全性についてお話したいと思います。

フッ素という物質はそもそも存在しない!

日本では、虫歯予防に使用されるものとして「フッ素」という呼び方が浸透していますが、そもそもフッ素という物質は、自然界には存在していません。

フッ素は、他の物質と結びついた形で存在しており、この物質のことを正式には「フッ化物」と呼びます。なので、歯医者さんでフッ素を塗ってもらう治療のことは、正式名称で「フッ化物塗布」といいます。

虫歯の予防に使用されるフッ化物は「フッ化ナトリウム」という物質です。歯磨き粉の成分表を見てみると、正式名称で記載されているかと思いますので、気になる方は一度見てみてくださいね。

フッ化物塗布による効果

 1.虫歯を防ぐ

フッ化物は虫歯を予防してくれるということは有名ですが、そのメカニズムはどうなっているのでしょう。

まず、歯の表面はエナメル質という硬い組織で覆われています。虫歯菌が口の中の糖分を分解して「酸」を作り出すと、このエナメル質を溶かして、いわゆる「虫歯」にしてしまいます。フッ化物を歯の表面に塗布し、その成分がエナメル質に取り込まれることで、エナメル質を強化することができ、虫歯になりにくい歯を作ります。

フッ素

 2.虫歯になりかけた歯を修復してくれる

虫歯菌が作り出した酸により、歯の表面のエナメル質が溶けはじめ、虫歯なりかけている状態を「脱灰」といいます。この脱灰という状態を、カルシウムを取り込んで修復しようとする力があります。

この働きを「再石灰化」と呼びます。フッ化物を塗布すると、再石灰化が促進され、より早く虫歯になりかけた歯を修復することができます。

 3.歯の着色を防ぐ

煙草やコーヒー、紅茶など、歯の着色に悩まされている方もいらっしゃるのではないでしょうか?

あまり知られていませんが、フッ化物の塗布によりエナメル質が強化されると、歯の着色を防いでくれる効果もあります。なかなか改善しない着色に困っている方は、一度かかりつけの歯医者さんで相談し、クリーニングの仕上げとしてフッ化物塗布を試してみるのも良いかと思います。

フッ素

◆フッ化物は安全?

予防歯科という概念が広まり、フッ化物塗布が普及した一方で、「フッ素は毒」という情報も広まりつつあります。

実は、確かにフッ化物は根本的には人体に有害な物質です。しかし、問題が起こるか起こらないかはその摂取量によります。市販のフッ化物入り洗口剤や歯磨き粉などを誤って一回分飲んでしまったくらいでは、たとえ就学前のお子さんでも、中毒が起こることはまずありません。

また、歯科医院で行われるフッ化物塗布は、フッ化物を歯の表面に塗布したあと、そのフッ化物をきれいにふき取ります。結果的にお口の中に残るフッ化物はほんのわずかになるため、体への影響はありません。

日本ではフッ化物に対する誤解がまだありますが、海外では虫歯予防のため、水道水にもフッ化物を添加するなど、積極的にフッ化物を利用しています。世界保健機構(WHO)、食糧農業機構(FAO)、アメリカ合衆国食品医療品局(FDA)などでも、フッ化物は虫歯予防のために必須な物質であると位置づけています。

いかがでしたか?正しい知識をもって、虫歯予防のためにフッ化物を有効活用していただけたらと思います。

フッ素

 

※上記コラムに関するご質問・ご相談は、虎ノ門(神谷町)の歯科岡田歯科クリニックへご連絡下さい。