歯周病は、日本では歯を喪失する原因の第1位です。歯周病は、軽度の段階では自覚症状があまりなく、知らず知らずのうちに症状が進みます。最初の症状として、歯茎からの出血や、歯茎の違和感などがありますが、放置して進行してゆくと、歯茎から膿が出たり、歯がぐらぐらしてきたりして、最終的には歯が抜けてしまうという病気です。
◆歯周病の原因は何?
日本人の約80パーセントが、歯周病にかかっている、あるいは歯周病の予備軍であるというデータが挙げられています。歯周病の原因とは一体何なのでしょうか?それは、口の中に存在する歯周病菌という細菌です。歯周病菌がお口の中で増殖すると毒素を産生し、歯の周りの組織を破壊します。これが歯周病です。
歯周病菌は、口の中のプラークに住み着いています。歯の表面に付着している、白っぽく、ねばねばしたものを見たことがありますか?鏡を見て確かめてみましょう。それがプラークです。プラークは細菌のかたまりです。ブラッシングを行うことで簡単に落とすことができますが、口腔ケアを怠っているとあっという間に増殖します。
◆歯周病になりやすいのはどんな人?
1.口の中が乾燥している
口唾液が十分に分泌されない人は、歯周病になりやすい傾向があります。唾液には歯周病菌を殺菌したり、洗い流したりしてくれる働きがあるのですが、口の中が乾燥して唾液が少ないとその効果が発揮されないためです。
唾液が少なくなる原因には、よく噛まない、口で呼吸している、唾液が分泌されにくくなる副作用のある薬を飲んでいるなどがあります。稀にですが、シェーグレン症候群などの口の中が乾燥してしまう病気にかかっていることもあります。
2.間食を頻繁にする
間食することにより、口の中の糖分が増え、プラークが作られやすくなります。歯周病菌がプラークの中に増殖することにより、歯周病のリスクが高まってしまいます。間食のあとはしっかりブラッシングを行い、プラークを落とすことが大切です。
3.タバコを吸う習慣がある
タバコは歯茎の血管を収縮させ、血液の流れを悪くします。その結果、歯茎の状態が悪くなり、歯周病を発症させることがあります。また、タバコはお口の乾燥にも繋がりますので、唾液が少なくなり、歯周病になりやすくなることも知られています。喫煙者が歯周病になる確率は、非喫煙者と比べると約4倍にもなります。
4.ストレスがたまりやすい
ストレスがたまると、唾液の量が減少してお口の中が乾燥しますので、歯周病になりやすい環境になります。また、ストレスが原因で、就寝中に歯ぎしりをしている場合、歯が植わっている骨に負担がかかって吸収され、歯周病が進行してしまうこともあります。
◆歯周病菌を予防するにはどうすれば良いのか?
1.ブラッシングをしっかり行う
歯周病の治療で最も効果的なのは、ブラッシングです。日々のブラッシングを怠らず、プラークをしっかり落としていれば、歯周病にかかる確率はぐんと減ります。歯周病の原因となりやすいのは、歯と歯茎の境目に付着しているプラークです。意識して、時間をかけて磨きましょう。目安は1回のブラッシングに10分かけることです。
2.歯科医院などで歯石を落としてもらう
歯石という言葉を知っていますか?歯石とは、プラークが固まってしまったものです。硬く歯の表面に付着していて、ブラッシングでは落とすことができません。歯石にはプラークが付きやすく、歯周病菌が増殖しやすくなりますので、歯科医院などでクリーニングをしてもらうことが必要です。
3.ストレスをためない
難しいことですが、ストレスをためないよう心がけましょう。ストレスは、歯周病だけではなく、様々な病気の原因になります。また、ストレスが原因で発症すると言われている「うつ病」の治療薬は、実は唾液の分泌が減少する副作用を持つものが多いので、余計に歯周病を悪化させます。
また、ストレスなどで歯ぎしりがひどい場合は、歯科医院でマウスピースを作成してもらうこともできます。マウスピースは、歯ぎしりで歯や骨にかかる負担を軽減してくれますので、歯周病の予防に効果的です。
※上記コラムに関するご質問・ご相談は、虎ノ門(神谷町)の歯科、岡田歯科クリニックへご連絡下さい。