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入れ歯安定剤の種類と役割!

投稿日:2018年9月10日|カテゴリ:院長コラム
入れ歯

厚生労働省の歯科疾患実態調査によると、部分入れ歯は早い人では25歳ごろから、総入れ歯は45歳頃からみられます。

総入れ歯にかぎってみてみると、装着している人の割合は、70歳を境に急激に増加し、65歳台の2倍になります。80歳以降では2人に1人くらいの割合にまで増えます。
部分入れ歯は歯に金具を引っ掛けて安定を図りますが、総入れ歯ではそうはいきません。そこで総入れ歯の安定感が悪いときは、入れ歯安定剤を使って安定を図る必要があります。

しかし、入れ歯安定剤の選び方や使い方について、よく知らずに選んだり使ったりしている人も多いことと思います。

そこで今回は、入れ歯安定剤について解説します。

入れ歯安定剤の役割

◆入れ歯が安定しにくい理由

入れ歯の安定性は、入れ歯がしっかりと歯ぐきにあっているか、入れ歯の大きさが適切であるか、顎の形がしっかりしているか、唾液の量が適度に保たれているかなど、いろいろな条件によって左右されます。

ところが、入れ歯を入れるには適さない顎の形をしていたり、唾液の量が少なくなっていたりと、入れ歯の調整だけでは解決し得ない場合が多々あります。しかも加齢によって唾液の分泌量が減少するだけでなく、その性状がネバネバしたものにかわってくる高齢者の場合は特に、入れ歯の安定が難しくなる傾向にあります。

入れ歯

◆入れ歯安定剤の役割

現在、入れ歯を安定させるために唾液の量や性状を適したものに変えるようなもの、もしくは唾液が少なくても、ネバネバしていても安定化できる入れ歯は、開発されていません。

そこで、入れ歯の安定に重要な役割を果たしている唾液の代わりに、入れ歯を安定させる入れ歯安定剤が開発されました。

入れ歯安定剤の役割は、歯科治療の技術だけでは解決し得ない入れ歯を不安定化させる要因を改善させるところにあるのです。

入れ歯安定剤の種類

入れ歯安定剤は、大きくわけると粘着剤タイプとクッション剤タイプの2種類にわけることが出来ます。

◆粘着剤タイプ

粘着剤タイプは、入れ歯の内側と歯ぐきの間で唾液を吸い込むことで安定を図ります。
粘着剤タイプは、さらにクリームタイプ、粉末タイプ、シートタイプ、テープタイプの4種類にわけられます。

このタイプは、入れ歯の内面に薄く広げることが出来るので、噛み合わせのズレや厚みの変化が生じにくいという利点があります。

中でもクリームタイプの人気が高いです。粉末タイプやシートタイプ、テープタイプは、入れ歯の内面に塗った後、水で濡らさなければならないので、手間のかからないクリームタイプが好まれていると思われます。

粉末タイプは、水で濡らさなければならないのですが、粉の量と水の量を調整することで、粘着力を変えることが出来ます。なれてくれば、自分自身に適した粘着力に調整できる利点があります。

入れ歯

◆クッション剤タイプ

クッション剤タイプは、入れ歯の内側と歯ぐきの間をうめて隙間を無くすことで安定を図ります。

このタイプの入れ歯安定剤は、入れ歯の内面に均一に薄く広げることが難しく、一部に偏ってつけていると、その部分の歯ぐきのみが押されることで、顎の骨の形に変形を生じることがあります。結果的に、入れ歯を安定させようと入れ歯安定剤を使っているのに、かえって不安定化させる要因にもなりかねないのが、欠点です。

そんなこともあってか、クッション剤タイプの入れ歯安定剤は、1990年代までは入れ歯安定剤市場のシェアのほとんどを占めていましたが、近年は、粘着剤タイプのクリームタイプに逆転されています。

入れ歯安定剤の使い方

入れ歯を選ぶとすれば、クッション剤タイプよりも粘着剤タイプを選ぶことをおすすめします。粘着剤タイプのなかでも代表的なクリームタイプと粉末タイプの使い方を説明します。

◆クリームタイプ

・入れ歯をきれいに洗って、水分を拭き取ります。

・入れ歯の内面に、適当な間隔をあけて、3カ所程度小指の先くらいの量を塗ります。

・水で一度うがいをしてから、入れ歯をお口に入れます。

・入れ歯を入れた後は、1分程度噛み続けます。

・寝る前など、入れ歯を外したときは、入れ歯の内側についている入れ歯安定剤を、水を流しながら入れ歯用ブラシを使って洗います。

お口の中に残った分は、ガーゼなどで拭って取り除きましょう。

入れ歯

◆粉末タイプ

・入れ歯をきれいに洗います。水分は拭き取らず濡れたままにします。

・入れ歯の内面に粉末をまんべんなくふりかけます。

・かけ過ぎた分は、入れ歯を軽くたたいて振り落としましょう。

・水で一度うがいをしてから、入れ歯をお口に入れます。

・しばらくの間、噛み続けるようにして下さい。

・入れ歯を外した後は、クリームタイプと同じく水道水で流しながら、入れ歯用ブラシを使ってきれいに洗ってください。お口の中に残った入れ歯安定剤はガーゼなどを使って取り除きましょう。

まとめ

入れ歯は、それ自体でしっかりと歯ぐきについてくれれば、それにこしたことはないのですが、残念ながら唾液の量や唾液の性状など、入れ歯側ではどうしても調整できない要素によって、安定感が損なわれるのが実情です。

そこで、便利なのが入れ歯安定剤です。入れ歯安定剤を選ぶときは、粘着剤タイプのクリームタイプや粉末タイプがおすすめです。

入れ歯安定剤をじょうずに使って、入れ歯を安定させ、しっかりとかめるようにしましょう。

入れ歯

※上記コラムに関するご質問・ご相談は、虎ノ門(神谷町)の歯科岡田歯科クリニックへご連絡下さい。