さまざまな会社から電動歯ブラシが発売されるようになり、家電量販店の店頭にも数多くの製品が並ぶようになりました。
家電量販店でも手に取って比べることが出来るほど身近な存在になった電動歯ブラシですが、従来の歯ブラシと同じように、もしくはその延長くらいと思っている方も多いのではないでしょうか？
そこで、電動歯ブラシの正しい使い方について説明します。
電動歯ブラシの種類
電動歯ブラシの使い方を知る前に、選び方を説明します。
現在日本で発売されている電動歯ブラシは、高速運動電動歯ブラシと音波歯ブラシです。
超音波歯ブラシもあったのですが、前述した2種類が大多数を占めており、入手は難しいです。
◆高速運動電動歯ブラシ
電動歯ブラシでは最も歴史のあるタイプです。ヘッド部分に小型回転モーターを内蔵しており、これを2500〜7500回転／分で回転させて、毛先を振動させます。この振動で歯についたプラークを取り除きます
高速運動電動歯ブラシは、この振動で磨きますので、基本的に普通の歯ブラシのように手を動かす必要はありません。毛先を歯に当てるだけで十分です。
◆音波歯ブラシ
ヘッド部分にリニアモーターを内蔵したタイプの電動歯ブラシです。N極とS極を500回／秒の速さで切替えることで、20〜20000[Hz]の音波振動を発生させます。
毛先はこの音波振動で動き、しかも音波はきめ細かい水流を発生させるので、この働きでプラークを除去します。音波歯ブラシも手を動かさず、歯に当てるだけで十分磨けます。
電動歯ブラシでの磨き方
◆持ち方
電動歯ブラシの持ち方は鉛筆持ちが基本ですが、手を細かく動かす必要がないので、 普通の歯ブラシほどにこだわる必要はありません。そのかわり、電動歯ブラシは振動するので、しっかりと持ってください。
前歯を磨くときは、縦に持つと当て易いですよ。奥歯を磨くときは、あまり大きなお口を開けないようにすると磨きやすくなります。内側を磨くときは、磨こうと思う側の反対側から歯ブラシを入れてください。
◆磨き方
毛先は、歯に対しては直角に近い角度がいいのですが、歯と歯ぐきの境付近は45度くらいの角度で当ててください。
歯に当てる時は、毛先が広がらないくらいの軽い力にすることがポイントです。
◆歯みがき粉
歯みがき粉は、泡立ちが良過ぎるとすっきりしすぎて、磨けていなくても磨けたような気になってしまいかねません。
そこで、泡立ちにくい低発泡性の歯みがき粉がおすすめです。むし歯予防にフッ素が入っていたり、歯周病予防に殺菌作用のある成分が入っているとなおいいでしょう。
◆歯と歯の間
普通の歯ブラシと同じく、電動歯ブラシも歯と歯の間の清掃はあまり得意ではありません。歯と歯の間は、デンタルフロスや歯間ブラシを使ってきれいにするようにしてください。
電動歯ブラシの選び方
◆歯ブラシを上手に動かせない人
身体障害者やお年寄り、要介護の方場合は、細かく動かすことが難しいケースが多いです。
そんなときは、あまり動かさなくても効率的に磨ける歯ブラシが適しています。
それが正しく電動歯ブラシなのです。
高速運動電動歯ブラシ・音波歯ブラシのどちらもが、毛先が自ら振動して歯についたプラークを取り除いてくれますから、共におすすめです。
◆歯周病治療中や矯正歯科治療中の人
歯周病治療や矯正歯科治療を受けている人なら、音波歯ブラシを選ぶといいでしょう。
音波歯ブラシの特徴である水流の形成は、歯周病の場合、歯ぐきのマッサージ効果をもたらしますので、炎症の緩和に有用です。また、矯正歯科治療を受けているときは、歯にワイヤーを装着していますので、ワイヤーと歯の間に食べ物が挟まりやすくなっています。
この部分の清掃がしやすいという効果もあります。こうした点から、音波歯ブラシが適しています。
◆歯みがき時間を短くしたい人
短時間に効率的に磨きたいなら、自動的に毛先が動いてくれるわけですから、高速運動電動歯ブラシも音波歯ブラシもどちらもいいですね。
ただし、歯と歯の間もきちんと磨くように注意しましょう。
まとめ
電動歯ブラシは、毛先が自ら動いてくれるとても便利な歯ブラシです。日本で発売されているのは、高速運動電動歯ブラシと音波歯ブラシです。両者の違いは、回転モーターで動くかリニアモーターで動くかの違いです。
歯ブラシを細かく動かすことが難しいような人に適していますが、もちろんそうでない人にとっても便利です。
普通の歯ブラシで磨いている人も、一度試してみてはいかがでしょうか。
※上記コラムに関するご質問・ご相談は、虎ノ門（神谷町）の歯科、岡田歯科クリニックへご連絡下さい。